
にせゴッホ展
あしあと・・
こいしいたべもの いとしいたべもの
前回紹介した森下さんの本の爽やかな読後感が忘れられなくて
またまた 購入してしまいました!
今度は たべものに関するエッセイ
かつて 人生の様々な場面で味わった沢山のたべものたち
味の記憶をたどると、眠っていた思い出が鮮やかに蘇ってくる・・
私は 著者の森下さんとは同世代
私にとっても懐かしいたべものが沢山出てきて 何度も胸が熱くなったり
自分と同じ時代を生きてきたんだなあ という感慨に襲われたり・・
特に、オムライスは・・
私達昭和30年〜40年代に子供時代を過ごしたものにとっては 特別なたべもの
そう、 私達はオムライス世代
オムライスは ふだんの王様 だった・・
最初に食べたのはいつだったか すっかり忘れてしまいましたが
オムライスを食べると 私はいまだに とても幸せな気持ちになるのです
もし、かなうものなら最後の晩餐はこれ、と決めています。
今回は ・・
懐かしくて、ちょっと切ない読後感となりました。
森下さんの思いのこもったイラストがまた、 たまらない
こいしいたべもの・いとしいたべもの
森下典子 著
文春文庫
日日是好日
今年、最初に読んだ一冊
お正月、日本文化に関するなにか面白い本がないかなーと思っていて
書店でたまたま手に取ったのがこの本でした。
著者の森下典子さんが 人生で様々な経験をしながら成長していくうちに
次第に心が解き放たれ 自由になっていく様を
お茶の世界を通して描かれています。
まるで謎解きのようでもありました。
お茶の世界は堅苦しい決まりごとの繰り返し
やがて その先に見えてくるものとは・・・
余分なものを削ぎ落し、「自分では見えない自分の成長」を実感させてくれるのが
『お茶』だと彼女は言っています。
日日是好日 にちにちこれこうじつ
禅の言葉で、雨の日もお天気の日もみんな好い日 と、いう意味で
人生は、長い目で、今、この時を生きることだよと 教えています。
含蓄のある好い言葉ですね。
中身は深いのにとても読み易く、著者の成長や心の動きが良く分かって
ワクワクしながら一気に読み終えました。
これは、豊かな人生を送るためのヒントがちりばめられた素敵な本
内容は勿論、特に森下さんの素直な文章が、私は大好きです。
日日是好日 ―お茶が教えてくれた15のしあわせ―
森下 典子 著
新潮文庫
新春の丘
吹雪のクリスマス
季節のリース
雪の朝
嵐山の木
三週間ぶりに嵐山へ行ってきました!
夏の間はすっぽり葉とに覆われていた木々たちも
紅葉が終わり、葉が落ちて 枝がすっかりむき出しになっていました
麓の家並みもよく見える もしかして我が家も・・
そして
山道で出会う木たちが
一本一本 表情を持っていて 私に語りかけてくる
もう、どれくらいの時を、ここでこうしているのだろう・・
優しさも 冷たさも 豊かさも 厳しさも
あらゆるものを内包している 自然
全ての芸術は自然の模倣である と 誰かが言った・・
先月、訪れたゴッホ展
彼の作品のひとつひとつから ものすごいエネルギーを感じた
ゴッホ自身が自分の内に 荒ぶる自然を抱え込んでいた・・
そんなことをつらつら考えながら 晩秋の山道を歩きました
山はもう間もなく 真っ白に・・・