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2013.11.11

晩秋の色

  青磁色の空

  薄柿色の日の光

  空をつかみとろうとする裸の細くて黒い木々の枝

 

そうそう、本当にそんな感じ・・

これは長田弘さんの詩の中から拾った言葉ですが

秋から冬へ移り変わるこの時期の微妙な空気感まで伝わってきて

言葉の持っている表現力の豊さに驚かされます

 

そして

やきもの屋の私は 陶芸の釉薬にも思いを巡らせてしまいます

厚ぼったくて深い青磁の色

柿釉の器が柔らかな陽ざしを浴びてキラキラ輝くさま

つやのない乾いた黒いマット釉

どれも魅力的で、是非使ってみたいやきものの色ばかり・・

 

日ごとに色彩が消えていく晩秋の丘を歩くとき

静かに心の扉を開いてよく見ると

今、この時だけの味わい深い色を見つけてひとり、心躍らせる私てす。

 

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2013.10.16

嵐山の木の灰  Ⅱ

 苦労して作った嵐山の木の灰の原料

これを使った陶芸体験教室には大勢の方が参加してくれました。

 

まず、お皿の制作から

皆さん、一生懸命ですねー

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出来上がったら 表面を少し乾かします。

 

少し置いて 木の葉の模様をつけます。

沢山の嵐山の木の葉、色んな形がありますね

この裏に化粧土を塗って お皿に貼り付けます

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レイアウトを考え中?

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木の葉の模様がきれいにつきました

葉脈もしっかり出ていますね

ひび割れを防ぐために縁をラップでくるんであります

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それから・・

ひと月ほど後の昨日、ようやく焼き上がりました!

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木の葉の跡がしっかり残っていますね、よかった!

還元気味の焼き上がり 少し窯変しているところもあります

木の葉の模様 に使った二種類の化粧土には20%、

縁にかけた黄土色の釉薬には25%、嵐山の木の灰が入っています

 

構想から半年、ようやくひと仕事終えて感無量の私

タイムリミットで不充分なところもいっぱいあるのですが・・

 

 

体験された皆さんは如何だったでしょうか?

お皿の作り手と嵐山の自然と炎との合作であるこの作品を

どうか充分に味わって楽しんで使ってくださいね

参加していただき ありがとうございました!

 

そして

私にとっても自然の奥深さを感じることが出来た 貴重な経験となりました。

 

2013.10.16

嵐山の木の灰  Ⅰ

 9月8日、嵐山秋まつりにゆかり陶房陶芸体験教室が開催されましたが、

その時、初めての試みとして嵐山の木の灰を使いました。

チセ(アイヌの笹小屋)の囲炉裏の灰です。

春に分けていただき 陶芸の原料として使えるように3か月かけて準備をしました。

 

まず、いただいた灰を篩にかけてゴミや余分なものを除き

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水につけて 2、3日おくとあくが浮いてくるので

その上水を捨てて新しい水に取り換えます

あくがなくなって粘りのない水になるまで(12回ほど)繰り返しました。

 

 あくが浮いた状態

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最後に底に沈殿した灰を一週間ほど天日干ししてようやく完了!

いただいた時の四分の一ほどになってしまいました 貴重品です

2か月かかりました。

 

それから 他の原料と混ぜ合わせて化粧土と釉薬の試験に取り掛かり

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焼きあがったテストピース

何とか使えそうなものがありました

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ここまで来て ようやくほっと一息

体験教室まで3週間、間に合いそうです

あとは 木の葉の模様がきれいに出ますように・・

 

2013.10.06

芸術と食欲の秋

10月に入り 朝夕はめっきり涼しくなってきて

秋の深まりを感じるこの頃ですが

丁度今頃は 学校や公民館で文化祭が開催される時期ですね。

 

神楽公民館でもこの週末 市民交流センターまつりが開催され

土曜日に 我が陶芸サークルの生徒さんの作品を見に行ってきました。

 

 

まずは生徒さんの作品の展示会場へ

力作がずらり

展示の仕方も工夫されていて どの作品も輝いて見えました

皆、頑張りましたね!

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そのあと お茶会に参加しました

お饅頭と抹茶をいただいた後  お道具を拝見

京焼の抹茶碗  中にも絵が描かれていたり 色彩がなくても華やか

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高麗の水指

掻き落としの唐草模様、蓋の模様とはまた違った雰囲気で面白い・・

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お昼は 新米と野菜たっぷりの味噌汁をいただきました。

懐かしい味がしておいしかったです ♪

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帰り際、

お土産に生徒さん手作りのお菓子までいただいてしまいました。

 

と、いうわけで

芸術と食欲の秋を堪能して 大満足の一日を過ごした私でした。

2013.10.02

赤い実・青い実

 久し振りに秋の丘を散策してみました。

花と緑の季節が終わって

今、野山は赤や黄色に塗り替えられていくところです

そして・・

少し色あせた葉陰には 色づいた実がいっぱい付いていましたよ!

どれもきれいな色ですね

私がみつけたのは赤い実と青い実ばかりだけれど

ほかにどんな色があるのかな?

赤い実が多いのは 小鳥が見つけやすい色だから だそうですよ

 

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2013.09.03

夏の陶芸体験教室

長くて暑い今年の夏が終わりました。

今年は特に楽しいことも悲しいこともいっぱいあった夏でした。

体験教室も沢山やりました。

バタバタしていてあまり写真を撮れなかったのですが 少し紹介すると・・

 

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 中学生の作品 レターラック。 力作です!

 

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 器に木の葉で模様をつけました。

 緑色がピンクがかった色に窯変した焼き上がりとなりました。

 

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小学1年生の男の子の作品。

陶芸用のクレヨンで自分で絵付けしました。

元気で楽しい作品になりましたね!

 

 

粘土に触れると心が解放されるのか

時には様々な人間模様が見られて面白いのですが

今年特に印象に残ったのは 神奈川から来てくれた仲良し5人家族。

おじいさんと娘さん一家4人です。

 

最初のうちは作るものが決まらなかったり

おしゃべりに夢中になったりと 皆、中々手の方が動きません。

おじいさんだけが黙々と制作に励んで どんどん形が出来上がっていき、

あっという間に お茶碗が完成しました。

 

「おじいちゃん  速いね、すごいねー」

「作ったことあるの?」

 

しばし 沈黙の後、 おじいさんの一言は

 

「迷いが ないからじゃーっ  !!!」

 

 一 同   唖 然 ・・・・

 

そ し て ・・・   納得

カッコいい!!

 

今年85歳になるというおじいさん、

きっと、家族の中でも一目置かれる存在なんでしょうね

お茶碗もなかなか味のある出来栄えでした。

この夏の家族の楽しい思い出となったことでしょう。

2013.07.24

夏のユウウツ・・

 暑い夏が続いていますが

私は制作に 体験教室に 接客にと 忙しい毎日を過ごしています。

 

陶芸の仕事はほとんどが水仕事。

特にロクロ引きは 泥水の中に手を突っ込んでいるようなもの

しかも 粘土の中には (多分)ばい菌がいっぱいいるはず・・・

 

それで・・

この時期は 特に気を付けてはいるのだけれど

やっぱり できてしまいました・・

今回は 左手の中指と薬指と小指の間に 無数の水泡が・・

そう、  水虫 です

湿気と高温 私の仕事は正にぴったりの環境なのです

 

気がついてから2、3日は極力水仕事をしないで 乾燥させて

市販の軟膏を刷り込んで様子を見たけれど

全く効果がなくて むしろ広がっている感じ・・

夜、床に入っても かゆくてかゆくて中々寝付けないほど

いよいよ 皮膚科へ行くしかないなあと思っていたら

ふと 数年前に皮膚科にかかった時の軟膏が残っているかもと

探してみたら  ありました!

早速これを使ったら あーら不思議、

2日ほどでかゆみもとれて

指の間は見た目にもつるんときれいになってきたのです

ようやく ほっと一安心  よかったあ~

 

でも、油断大敵 まだまだ夏は続くのです

これからも細心の注意を払いながらの 毎日です

 

水虫と 虫刺されと・・

これさえなければ  快適な夏を過ごせるのだけれど・・・

 

 

 

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先週 嵐山裏側の小中学校の体験教室からの帰りに 見つけました

牧草ロール   カワイイ!

画像はちょっとピンボケですね

2013.06.30

モノクローム  Ⅱ

 私が見るなり すっかり引き込まれてしまった素敵な装画の本

 

それは・・ 

画集ではありません

 

大好きな作家、よしもとばななさんの  「Q 人生って?」 という人生相談本です。

読者から寄せられた相談に よしもとばななさんが真正面から真摯に答えたもの。

彼女ならではの言葉で分かりやすく表現する技術は さすがです。

はっきりと断定しているのも 気持ちよかった!

 

 

特に印象に残ったのは

 

Q  本当の優しさとは?

 

  私は、その人にとっての優しさの定義を決定するのは「育ち」だと思います。

   親のしたように、自分の環境がそうであったように。

 

 

Q  働くということは?

 

  社会に出て働くということは、自己実現のためではありません。(中略)

   自分の能力を他に還元する、という人類の本質的な欲望が、働くということです。

 

 

特に若い人に読んでもらいたいけれど 

ばななさんの心からのメッセージが伝わるのは

ある程度 人生経験を積んでからなのかも知れません・・

 

 

 

この内容にこの装画、 改めて カッコイイなと、思います  

 

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 「Q 人生って?」

 著者  よしもとばなな

 装画  MIHO

 幻冬舎文庫   

 

 

 

 

 

 

そして 

ゆかり陶房のモノクロームを探してみると・・

 

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こちらにも やきものならではの様々な表情があります

スタンダードな色だけにかえって難しい・・ 

自分らしい白と 黒を 未だに探し続けているのです 

2013.06.27

モノクローム  Ⅰ

 6月は私にとっては特別な月です

22日は兄の 25日は妹の 29日は友人の命日なのです。

この時期は 夏の体験教室やイベントなどの準備に追われて

いつも慌しく過ぎ去ってしまうのですが・・

 

最近は仕事の途中でもふと、思い出すことがあって

目をつぶると 懐かしい顔が脳裏に浮かんできます

私も年をとった という事でしょうか・・

 

兄の思い出は モノクローム

梅雨真っ只中の千葉でのお葬式

グレーの梅雨空がどこまでも続いていて

黒い傘に黒い喪服の人々の群れ

薄暗い教会の中は蒸し暑くて 祭壇だけがやけに白く明るくて

全てが モノクロームの世界だった・・

14年も前のことです

 

 

 

そして

 

先日、市内の書店でみつけた こちらも モノクロームの世界

装画のあまりの美しさに 思わず買ってしまいました!

 

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これは切り絵です、きっと

なんて繊細で なんて静謐で  美しい・・

まるで レースのよう

 

色が無いからこそ よけいに際立つ美しさってあるんですねー

てじまともこさんの豊かな色彩の世界とは 対照的です

 

この 素敵な本については ・・       

2013.06.14

蝶のいるところ

 ようやく 行ってきましたー

てじまともこさんの個展 蝶のいるところ。

カラフルな蝶達が壁一面に飛び交っていて 

ギャラリー内は春真っ盛り、華やかな雰囲気に包まれていました。

 

 

満開の花が描かれた大きなタペストリーにも・・

花びらが舞っているようにも見えますね

ほんのりと花の香が 漂ってきそうです

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蝶のオブジェとカラフルボックス

私好みのビビットな色合いにうっとり・・

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一羽一羽 ピンで留めて現れ出る影が

作品に奥行きと動きを作り出していますよね 

平面とはまた違った印象で面白い・・  

なんと 今回の展示のために1、000羽も作ったそうですよ

しかも  型無しで!

 

 

購入した飾りピンを早速、使ってみました。

先月北海道新聞で紹介された わが神楽陶芸サークルの大先輩 、

なんと今年97歳になる菅野幸江さんの作品展の紹介記事です。

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惜しくもあと2日で終了です。

是非 てじまともこさんの夢の世界へおでかけくださいね!

 

 

てじまともこ 2013年個展  蝶のいるところ

 

6月16日(日)まで   10:00~17:00

上野ファーム NAYACafeギャラリー 

てじまともこさんHPは

こちら

 


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